会長挨拶

第13回 日本創傷外科学会総会・学術集会 会長安田浩 (産業医科大学病院 形成外科)

第13回日本創傷外科学会総会・学術集会を主催させていただきます産業医科大学病院形成外科安田浩です。みなさまを北九州の地にお迎えできますこと、大変光栄に存じます。

今回の学会テーマは「創傷外科 内に究め、外に拡める」としました。創傷治療は有史以前より行われています。私が医師になったばかりの頃、創傷管理は乾燥管理が主でヨード製剤を用いてひたすら消毒していた時代でした。その後、湿潤環境の管理が創傷治療に重要であるという大きな転換があって以降、従来の外用剤に加え種々の肉芽形成促進剤、創傷被覆材、局所陰圧閉鎖療法など治療材料も急速に発展をしています。他方、創傷治療は適切に管理しないと治癒遅延が生じ、残念ながら今でも不適切な治療が行われている場面にも遭遇します。本学会はより適切な創傷治療が行われることを目指して発足し、ほとんどの会員は形成外科医で構成されています。より早く、よりきれいな創傷治療を行うことは形成外科医が先導的役割を果たす領域であると思います。そのためには学会内ではお互い切磋琢磨して臨床、研究のレベルをより高める必要があります。また私が担当しています広報活動を通じて一般市民の方へ創傷治療を適切に行うべく啓発も行うべきであると考え今回のテーマとさせていただきました。

学会ポスターには本州と九州をつなぐ関門橋を学会の公式キャラクターである「なおるん」とともに表しています。我々創傷治療の専門医集団と一般市民のよい架け橋に学会がなることを願っております。

2020年に勃発したコロナ感染の問題によって現時点で7月の開催も決定的ではありませんが、基本的に会場開催で難しければon demandと併用した学会開催を考えております。

 今回の学会開催時期は梅雨明けを想定しているものの梅雨の後半の大雨の心配もありますが北九州は比較的このような被害が少ない地域です。会員の皆様におかれましては暑い北九州を楽しんでいただければと考えております。おかげさまで当科スタッフも年々増えており今回の学会では当科最多のスタッフで皆様をお迎えできると思います。多くのご参加、演題発表をお待ち申し上げます。